10年前から知ってるポモドーロ・テクニックに再入門した

ライフハック

10年以上前に「アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門」を読んだ。それからポモドーロ・テクニックを利用している。だが、ポモドーロ・テクニックを無視して仕事をしてしまうことがある。

1つの目的を達成するために、一切休憩を取らずに2〜3時間、もしくはそれ以上、達成するまで試行錯誤してしまうことだ。この結果、目的が達成できれば良い。だが、必ずしも目的が達成できず、妥協したり、疲労困憊になる。そして、翌日以降に目的達成のための作業が発生してしまうことだ。

私の場合は、大抵これが夕方から夜にスタートして、21〜24時まで粘ることがある。こうなると、寝る時には目的のために頭がいっぱいになっている。なかなか寝つけないこともある。また、翌日に脳疲労を感じることもある。

そこで、休憩が重要であることを教えてくれたポモドーロ・テクニックを改めて学ぶことにした。

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学習書籍

ポモドーロ・テクニックの開発者であるFrancesco Cirillo(フラチェスコ・シリロ)氏が書かれた書籍を学習書籍として選定した。

ポモドーロ・テクニックとは

ポモドーロ・テクニックは時間管理術である。はじめて聞く人のために、簡単にポモドーロ・テクニックの目的とやり方を説明する。

ポモドーロ・テクニックの目的

ポモドーロ・テクニックの目的は少ない時間と労力でより良い結果を達成することである。

ポモドーロ・テクニックやり方

ポモドーロは25分+5分の休憩からなる。4回のポモドーロごとに15〜30分の休憩を取る。

ポモドーロは優先順位などを基準に容易されたタスクリストから1つ選んで実施する。

以上のことをタイマーを利用して実施する。

よって、1ポモドーロに明瞭な頭脳の状態で、集中して1つの目的を実施する。

本書を読んだ新たな気づき

基本的なポモドーロ・テクニックのルールは共通しているが、細かな気付きを得ることができた。

1ポモドーロには繰り返しの復習が含まれていた

本書によるとポモドーロの最初には3〜5分は学んだことの復習にあてる。と書かれている。また、この復習は直前のポモドーロの範囲だけではない。そして、ポモドーロが終わる3〜5分は実施したポモドーロの復習にあてる。

もちろん不明点があれば、復習をしたが毎回復習をするということはしたことがなかった。また、繰り返し復習することが学習したことを脳に記憶として定着させるのに効果的であることが科学的に証明されているため、この方法は有効であると考えられる。

時間の見通しが立てられないものの扱い方

私がついポモドーロ・テクニックを無視して、やってしまう仕事は時間の見通しの立てられない、新たな事が多い。試行錯誤しないと、自分でも良くわからない内容のことだ。

本書では、そういった新たな仕事や勉強などは、タイムボクシングを使うと書かれている。一定の時間枠設定することをタイムボクシングという。

例えば目的Aをやる。という事にしたが、どれぐらいかかるのかわからない目的であるとする。調査や計画を立てるのに1〜2ポモドーロを使うなどとタイムボクシングを設定して、ポモドーロ・テクニックを使える状態にすれば良いと解釈した。

私は調査して、試行錯誤していく上で、ゾーン状態に入る。解決するまでノっているという感じで、何時間も試行錯誤する。よって、休憩をしないので、疲労困憊になり、長期的な観点では非効率であり悪循環になっていた。という仮説が立てられた。

複雑な問題に対して

本書では複雑な問題の解決にはセット間の休憩を25分に延すと良いとされている。目的達成の難易度を元に休憩時間を変動させたことがなかったので、これは新たな気付きである。

疲労感があるのであれば

本書では疲労感を感じた場合は、セット間の休憩を15〜30分に延ばす。それでも、疲労感がある場合はポモドーロ間の休憩を10分まで延す。とされている。

これ以上、休憩時間を延ばすと、作業のリズムが崩壊するとされている。

私は疲労感があっても、一定の作業に向い続けるためのテクニックでもあると誤認していた。

本書では、ポモドーロは意識と集中力、明瞭な思考を促すものでなければならない。とされている。

そうでなければ、集中できずに惰性で作業をしてミスをしたりもする。身に覚えがある。

本書で懐疑的なこと

本書において、私が懐疑的であると考えることについて延べる。

1ポモドーロの最適解は30分

著者の経験的に1ポモドーロの時間を20〜35分、最大でも40分。それまでの経験から30分が最適解であるという結論に逹している。

あくまで、著者の経験であること。第三者から見て、科学的実験、統計的な結果でないことから、この最適解について、私は懐疑的である。

アナログタイマーを使え

著者の推奨はポモドーロ・テクニックという名前の元になったような、手回しで利用するアナログのゼンマイ式キッチンタイマーを利用することを推奨している。

手回しするという儀式をすることによって、これから「集中して作業をする」という儀式の効果は科学的に立証されている。有名な例だと、野球選手のイチローである。イチロー選手はバッターボックスに立つ際、儀式として毎回まったく同じ動作をする。これについては、私は懐疑的でない。

だが、アナログキッチンタイマーが放つ音は、時間が進む音として聞こえることで、時間経過を感じ集中力を維持できることになる。と主張している。これについては懐疑的である。

科学的な実験で効果を測定した結果では、音楽やホワイトノイズよりも、結局は無音が一番集中力を発揮でき、成績が良かったというものがある。よって、私はノイズキャンセルイヤフォンや耳栓を利用している。

時間の経過はタイマーを見れば、わかることである。私は「A&D AD-5701A」というタイマーを利用している。3つのタイマーを初期設定できるので、便利である。1つめはポモドーロのための25分、2つめは休憩のための5分、3つめはストップウォッチとして利用している。セット間の休憩はApple Watchのタイマー機能を利用している。

注意点

私はGTD(Getting Things Done)とポモドーロ・テクニックを併用している。また、ポモドーロ・テクニックについては、ポモドーロの見積にかける時間は無駄であると考えており、見積とその正確さについては一切検証していない。

また、本書はチームとして目標達成をするためのポモドーロ・テクニックの使い方について、書かれている。私は2〜3人の中のやる気のあるチームでしか、そもそもこれを実施しようとは思わないと考えているので、参考程度に捉えている。だが、著者は実際にソフトウェア開発のコンサルタントとして活躍して、この方法を適用して成果をあげているらしい。

まとめ

本書はポモドーロ・テクニックの開発者が書いているので、背景や参考とされているものを知ることができた。

休憩の重要性は理解しているものの、自分を仕事から切り離せずに能率低下する「働き詰め」をなくすためのきっかけを掴めた。