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開発者が知るべき、インタフェースの心理学

近所にコーヒーショップがオープンしました。あなたは期待に胸躍らせながら、はじめてそのお店で1杯のコーヒーを買いました。笑顔の素敵な店員さんは、カードがスタンプで一杯になると、コーヒー1杯が無料になるポイントカードをくれました。

そのポイントカードは

ポイントカードA

欄が10個あり、最初にカードを貰ったときにスタンプが1個も押されていない。

ポイントカードB

欄が12個あり、最初にカードを貰ったときにスタンプが2個押してある。

ポイントカードはあと10杯コーヒーを買って、スタンプを10個ためるものです。スタンプを一杯にするのにコーヒーを注文する回数に違いはありません。
AとBのポイントカードのどちらをもらうかで、何か違いはあるでしょうか?

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インタフェースデザインの心理学

この本はデザイナーのためのハウツー本ではありません。良いソフトウェアをつくるためのポイントを科学的に研究された事実を元に解説しています。原著者は博士(心理学)です。アーティストやデザイナーではありません。特に書籍の中盤あたりからユーザーの心理をソフトウェアに、どのように利用するかについて触れています。

ポイントカードで生まれる違い

冒頭で質問した2種類のポイントカードで違いがあります。実はポイントカードAよりもポイントカードBを持っている人の方がスタンプを集めるのが早いのです。これは目標勾配効果というものを利用したものです。

目標勾配効果

目標勾配効果とは、人は目標に近づけば近づくほど行動が早くなるというものです。実際にコーヒーの無料券の実験がラン・キベツ氏によっておこなわれました。ウェブサイトでも同様の実験がおこなわれ、報酬の獲得が近づくほど、ウェブサイトの閲覧が頻繁になり、報酬に近づく行動を起こしたそうです。

有名なファイルストレージサービスであるDropboxでは、追加容量という報酬の獲得にどれだけ近づいたかを表示しながら、目標に到達するための条件を提示してユーザーにサービスの体験をさせていました。

残されているものに注目する

目標に向かって進むときに既に完了したものに注目するよりも、到達までに残されているものに注目した方が、より強い動機になります。

「なるほど」と言わせる話しが100個

本書はこのようなトピックが100個書いてあります。1つのトピックが多くても数ページで収まっており気軽に読みやすくなっています。

コーヒーショップのポイントカードのトピックでは最後に箇条書きで、目標が達成されるとやる気が急速に落ちる報酬後初期化現象についてもコメントされ、第2段階の報酬があっても当初は努力する気になれないことなど、さらに踏み込んだことについても書かれています。

WEBサービスをつくる際に、こういったトピックを知っていれば、より効果的なものをつくることができるかも知れません。プログラマー以外の人も抑えておきたい内容が満載でした。

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