本書は裏表紙に「中級技術者向け」と明記されている。JavaScriptの言語仕様に関して、入門したことない人や、関数型の言語に見地のない人は、パーフェクトJavaScriptやサイ本あたりで、JavaScriptの言語仕様を身につけてから、取り扱うことを推奨する。それぐらい価値のある内容に本書は仕上がっている。
そして、
- 正統派なTDD(テスト駆動開発)について理解したい
- JavaScript自身の言語的な特徴を押さえておきたい
- テストできるJavaScriptのコードを多く閲覧したい
- 実際のプロダクトに活用できるアプローチを数多く知りたい
と、考えているJavaScriptを日頃から書いている人、携わっている人に、必ず読んでもらいたい1冊である。
全体を通じて、テストできるコードの特徴は何か、単体テストとテスト駆動環境の利点を享受できる優れた単体テストはどのようなものかをサンプルとともに示していく
本書はソースコードが非常に多い。テストコードと共にソフトウェア自体のコードが記載されている。テスト駆動開発を勉強しようと思っている方にはとても参考になる製品コードとそれに対応する具体的なテストコードである。テストコードがソースコードで示されることにより、概念などで説明されるよりも、プログラマは具体的に感じ取れるはずである。
JavaScriptの特徴をおさえる
本書の第2部はJavaScriptの特徴を押さえる内容になっている。この内容がとても濃く、JavaScriptをより詳しく理解できるようにまとめられている。
JavaScriptは良いところも悪いところもある。とても特徴のある言語だと個人的に思っている。この特徴ある言語のテストコードと実際の特徴的な動作をするソースコードが両方提示されているため、実際の動きを感じながら理解していける。
JavaScriptの自動テスト開発環境を押さえる
JavaScriptは現在、このツールを使っておけば間違いない。と言えるような現状ではない。さまざまなツールが生まれては消えていく。本書はjs-test-driver – Remote javascript consoleなどをあげ、具体的に利用するケースを開発環境として構築できるように示している。
テストコードも併用されているためか、これほど具体的にコードで示した書籍は他にあっただろうか?と感動してしまう。
言語の学び方を示している
達人プログラマーは1年に1つの言語を身につけるべきであるといわれている。本書は新たな言語を学ぶための方法を具体的に示しており、それは僕も強く共感できた。
どういった方法を推奨しているのかというと、こういった技術書のコードを実際に動かすのであれば、テストコードを共に書いて、いつでもソースコードを見て振り替えれる状態にしておくということだ。いざ、学んでいる言語の学んだ特徴を利用するときになって、勉強した本をほじくり返してきて調べるのではなく、githubなどに突っ込んでおき、過去に自分で書いたコードから意図や機能を読み取り、実際に活用していくということだ。
プログラマーであれば、コードから読み取り、コードにいかそう。そのときにテストコードは非常に有用である。
本書はまさに、その塊であり、そのソースコードに解説を加えたような内容が中心である。まさにプログラマー向けの本である。
プログラマーなら“具体的に”ソースコードから学び、ソースコードに反映し、ソースコードで語る。そんな姿を示したような本である。もちろん解説もシッカリしているので、非常にオススメである。
Christian Johansen¥ 3,780
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