プログラマが、プログラムを書くために、つくったエディタをご存じですか?そのエディタはelispという独自のプログラミング言語でエディタ自身のほとんどの機能がつくられています。
そして、FaceBookの創設者であるマーク・ザッカーバーグも、RubyをつくったMatzも、企業の株価を動かすと噂のPerlハッカーのmiyagawaさんも、はてなで大活躍していたnaoyaさんも、僕の尊敬する坂田君も使ってるんです。
あなたもプログラマならば、使いこなしてみたいと思いませんか?
RubyをつくったMatzはemacsによって、人生が変わったとプレゼンテーションをしています。
挫折を味わうEmacs
新人の頃にEmacsを起動して、終了できなかったという笑い話をこの業界ではよくききます。Emacsは、それほど独特な操作性であるということを否定できません。ですが、それはプログラマとってみれば、キーボードから手をはなすことなく、思考をそのままコンピュータに伝えることのできることを目指した操作性なのです。
いきなり、バッファやフレーム、コマンドやキーバインドといわれ、リージョンやヤンクなど、聞き慣れない用語を連発されて、何のことやらわからなくなるわけです。
普通に考えれば、こんなとっつきにくいものを、訳のわからない用語を並べられたら、使う気がおきません。その辺に転がってる無料のIDEの方がマウスでクリックすれば、なんとなくわかる言語で書いてあるので、どうにかソフトウェアはつくれていきます。
Emacsを使いこなして、俺もスーパーハッカーになるぞ。なんて、本気で思うのは一部のギークだけです。ほんと、すいません。
手ほどきしてくれる入門書の登場
入門 GNU EmacsというEmacsの入門書があるのだが、512ページで3,990円という入門するには敷居が高すぎる設定である。
日本でとあるプログラミング言語がこれだけ普及した1つの理由に、「1週間で学ぶ○○」などという入門書が大量に本屋に並んだことがあげられる。あの手の入門書のボリュームと読みやすさは、ユーザーが使うための障壁を下げてくれていると僕は考えている。
本書はまさに、その入門書である。だが、「1週間で学ぶ○○」のように、粗悪な内容ではなく、書かれている内容もEmacsのトレンドをとらえているし、すばらしい内容になっている。実際に僕がはじめて知ったこともあるので、大変勉強になった。
272ページという、持ち歩けるサイズであり、書かれている口調もとてもわかりやすい。
Emacsの基本操作から、設定ファイルの管理方法、プログラミング用のモードの解説、プログラミングをしている際に想定される操作等を網羅している。Emacsを使っているプログラマに憧れている人は、ぜひ手に入れたい1冊である。
余談ではあるが、74ページのコラムに僕のブログからの引用が掲載されているので、手に入れた際には、ぜひ読んで欲しい。
大竹 智也¥ 2,604
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