NTTデータのアジャイルは現場への警告であり、日本のソフトウェア産業の大きな1歩である

アジャイル
photo by VFS Digital Design

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アジャイルソフトウェア開発はキャズムを超えたと言われてもピンと来てなかったけど、本当に超えたと僕が実感でき日も近いのではないかと思う@HIROCASTERでございませう。

「キャズム」という意味は、先進的な人と一般的な人との間にある隔壁のことです。

つまり、一部で活発になってきているアジャイルソフトウェア開発が一般的になってきているということ。

システムインテグレータ大手のNTTデータが下記の発表をしたことについて、思うことを書いておきたい。

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会社としての姿勢

これまで欧米を中心に普及してきたアジャイル開発は、米国IT企業のソフトウエア開発における採用率で30%を超えるなど、欧米では最も利用されている開発手法となっています。昨今では、日本国内でも、Webサービス業界やゲーム開発業界などを中心に多くの開発事例が見られるようになってきましたが、SI業界においてアジャイル開発はまだまだ普及しておらず、アジャイル開発人財の拡大が求められています。

アジャイル界隈で有名な某氏の言葉をかりていえば「よく勉強してるじゃないか」といってやりたい。

アジャイル開発の代表的な手法の一つである“Scrum開発手法”に関する人財育成を開始します。これまでのウォーターフォール開発手法に関する人財育成に加えて、Scrum開発手法の人財育成を行うことで、お客さまの多様なビジネスニーズにマッチする最適な開発手法によるシステム開発を提供できる人財の創出を目指します。

簡単にいうと、ウォーターフォールしか知らんからScrum勉強するとこからはじめるわ。ということ。

顧客のビジネスニーズに変化が起きていることを「よく勉強してるじゃないか」といってやりたい。

あなたの会社は“無知をさらけ出して、会社を挙げて学ぶわ”といえますか?

より詳しく見てみる

NTTデータグループ社員の主に入社3~5年目の若手リーダー層 約300名

アジャイルは何年も前からあるのに、それすら学んでなかった老害は口だけで批判的だから隠居して頂きたいという姿勢が垣間見えます。(個人的な見解です)

3〜5年目のリーダー層ってのは、会社に入って、腐ったソフトウェア開発を見て、「これでいいのか?」って疑問や挫折を経験するのにちょうど良い時期であるし、本質を見極められる人ってのは、ここで転職する。

何もわからなかった人達が問題を問題だと認識した頃に下記が実施されるわけです。

Scrum開発手法のフレームワークに関する講義

Scrum開発手法を体験するための実践演習

自組織へScrum開発手法を導入するためのグループ討議

きっと、カリキュラムで認識した会社の問題を討議するのであろう。

アジャイル開発、特にScrum開発手法の目的、メリット、および基本的な考え方を理解する

Scrum開発手法の一般的な進め方・特徴を実践演習による体験を通じて理解する

Scrum開発手法を自組織の業務改善とチームマネジメント/リーダーシップ発揮に役立てることができる

そして、立ち上がって、行動を起こした人達が、本当のアジャイルを経験するために行動や失敗をしていくはずである。

あなたの会社でコレできますか?

こういった動きをしている企業はごく一部であるし、本当に望んだ結果が全て手に入ったといえるような企業はまだ現れていないと感じている。

どの企業も取り組みをはじめたばかりであり、戦っている最中である。その戦いは終わることはないのかもしれないが、一定の成果がではじめる日も近いはず。

こういった状況の中で、SIer最大手のNTTデータが「アジャイル」という言葉を使って取り組む姿勢を業界に示したことは、とても大きな1歩であると考えている。

これによって、アジャイルなんて聞いたことの無かった顧客や企業がアジャイルをはじめて知り、やってみようと思う企業が増えてくるだろう。

最初は慣れないことをやるのだから、失敗して当然である。ましてやNTTデータのような大企業であれば、もっと失敗する可能性は高いだろう。

その一方で、アジャイルの成功事例や実績のある会社が頑張って欲しい。特に東京の右上の方にある企業は頑張るべき。

一部の熱心な人達のアジャイルソフトウェア開発だけでなく、一般の大手企業の成功と失敗事例がこれから増える兆しが見えたのである。日本でもっと成功と失敗を繰り返せばよい。

仮にNTTデータのアジャイルが成功したとしたら…

仮にNTTデータのような企業がアジャイルの知識を十分につけて、実際にビジネスとして動き始めたら、コレを下請けするソフトウェア会社がでてくるはずである。

環境自動化やテストコードの書き方もわからないプログラマを抱えている中小企業やそういった人材を売っている会社は覚悟して欲しい。むしろ、消え去って欲しい。

あなたの会社はプロのソフトウェア屋として、アジャイルプラクティスを実施できるだけの基礎知識と能力はあるのだろうか?あたりまえのように求められるようになるのである。

ガントチャートやWBSが書けるのが当然のようにバックログの管理が当然のようにできなければいけない。

プログラミングができるのが当然のように、有効的なテストコードを書けなければいけない。

ソフトウェア開発の現場に求められるスキルが変化するのである。

その変化に対応できる能力がなければいけない。NTTデータのこの発表は、下請け企業への警告である。


アジャイルの教育とかやりはじめるぞ?

この変化に早急に対応できなければ、NTTデータの教育機関ができて、アジャイルソフトウェア開発の研修に中小企業のエンジニアが参加せざるおえないのである。

きっと、

  • プラチナ アジャイル
  • ゴールド アジャイル
  • ブロンズ アジャイル

なんて、資格ができる。まさに“認定アジャイリスト”や!!

危機感を感じた人へ

とりあえず、この記事を同僚に教えて、

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アジャイルサムライ-達人開発者への道-

Jonathan Rasmusson、西村 直人、角谷 信太郎、近藤 修平、角掛 拓未

アジャイルサムライ読むとこから、はじめればいいんじゃないかな。今一番好評のアジャイル書籍です。

Coderetreatというプログラミングスキルを学ぶようなイベントをするので、業務外でのプログラマが学習活動をスポンサーとして支援するよな企業や、それに参加する従業員が今後必要とされるようなプログラミング能力が身につくはず。特にテスト駆動開発やペアプログラミングなんかは、すごく勉強になるはずです。

現場のプログラマが業務から離れて、1日集中して無料でプログラミングスキルを学ぶ機会を企業として社会貢献するスポンサーの普及と理解を求めたいと考えています。現在ランチスポンサー(約2万円)を募集しています。

コレに共感してくれるソフトウェア開発に携わる人は、この記事をはてなブックマークして、Twitterなどのソーシャルメディアで共有して欲しい。そうすれば、こういった活動に理解のある日本のごく一部の会社の目にとまるかもしれない。

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一緒に日本のソフトウェア産業を良い方向へ変えていきましょう。

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