今回のMacから提供されたフラッシュストレージと通常のハードディスクを組み合わせて利用できるようにしたフュージョンドライブですが、予想していたよりもかなり快適な環境を提供してくれています。
iMac Mid 2010から乗り換える最大の理由はFusion Drive目当てでした。MacBook Air Mid 2011に搭載されているフラッシュストレージよりも遅いが、通常のハードディスクよりは早いだろうぐらいだろうとの予想でした。ですが、よい意味で裏切ってくれました。
Fusion Driveを数日使っての使い心地
普通に使っている分にはSSD搭載のコンピュータを使っているのと何ら変わらないぐらい快適です。ApertureやiTunesの起動も瞬時におこなわれ、ハードディスクより圧倒的に高速化されています。
注目すべきは静音性
Fusion Driveは通常のハードディスクも搭載されているため、ハードディスクへアクセスするシーク音など「カリカリ…」と聞こえてきても不思議ではないのですが、全然聞こえません。隣にiMac Mid 2010を起動しながら作業していても、隣のHDDが「カリカリ…」と音が鳴るのは耳障りなぐらい聞こえます。
音楽やテレビが音を発していたらFusion Driveからほとんど音が聞こえません。
薄いのと同じぐらい印象的なのが、静かさ。上記のBoot Campでは全くSSDの恩恵を受けられないにも関わらず、内蔵2.5インチHDDの駆動音も、ましてやファンの擦過音もまるで聞こえない。妻も寝静まっている夜中に作業していたのに。このあたり3.5インチHDDを内蔵する27インチでは事情が異なる可能性もある
静音性については@dankogai氏の21.5インチiMacのレビューで触れられています。27インチで内蔵HDDサイズが大きくなっても、かなり静かです。ほぼ聞こえません。
rubyやmysqlをコンパイルしていてもCPUのファンの音は聞こえません。ubenchを実行していても聞こえませんが、ubenchをパラレルで複数実行するとやっとファンが回っている音が聞こえます。
通常の利用においては、ほとんどファンの音も聞くことはないでしょう。
データで見るFusion Drive
bonnieを利用してFusion Driveのパフォーマンスを数値化してみました。
- iMac Late, 2012(Fusion Drive 3TB)
- MacBook Air Mid, 2011(Flash Storage)
- iMac Mid, 2010(SATA Disk)
の3モデルすべて記憶デバイスが異なる形で、100MBのファイルを利用したデータです。1GBのファイルを利用したケースもデータをとりましたが、基本的には同じ傾向が見られました。
100MB読み込み
| 100M Output | Fusion Drive | Flash Storage | SATA Disk |
| Per Car | 156550 | 109430 | 97357 |
| Block | 357666 | 121798 | 67155 |
| Rewrite | 309138 | 103004 | 85237 |
100MB書き込み
| 100M Input | Fusion Drive | Flash Storage | SATA Disk |
| Per Car | 210869 | 134616 | 156287 |
| Block | 6861431 | 5329724 | 4647996 |
100MBランダムシーク
| 100M Random | Fusion Drive | Flash Storage | SATA Disk |
| Seeks | 158887.8 | 64724.9 | 3300.5 |
去年のFlash Storageより圧倒的に早いFusion Drive
驚いたのが2011年のMacbookAirに搭載されたFlash Storageより圧倒的に早いパフォーマンスを出していることです。
ファイルサイズが小さいので、せめて同じぐらいパフォーマンスかと思いましたが、全然違いました。Flash Storageもかなり進化している証拠です。
Fusion Driveはかなり快適です。現時点で容量もほしい人にはオススメできます。今回取得したデータ(100MBと1000MBのベンチマーク)はGoogleスプレッドシートで公開しています。
自力でFusion Driveもどきを作るのを成功している人もいるようです。
Keir Thomas, 武舎 広幸 |