会社を大きくすることが正解とは限らない。大きい会社は素晴らしいのだろうか?
きっと、その会社を大きくした柱となる製品があるに違いない。その製品は素晴らしいだろう。なぜならば、それだけ大きな会社を経営できるビジネス的価値を生み出したのだから。
だが、その会社は素晴らしいのだろうか?必ずしも素晴らしいとはいいきれない。そんな疑問を投げかけてくれる書籍です。
Ruby on Railsの開発者で知られているDHHとDHHが所属している会社、37SignalsのCEOであるJASON FRIEDの著書です。
37Signalsでは、プロジェクト管理、営業支援、コミュニケーション支援をするWeb上のサービスを中心に提供しています。すべてのサービスに共通していえることはシンプルということです。
それぞれの製品の最大手の製品は機能がとても多く使いこなすことは難しい製品がほとんどです。どちらかといえば、機能が若干足らない。といっても過言ではありません。ですが、中、小規模のチームであれば、これぐらいシンプルな方が、使い方を覚える為の学習コストが低く、工夫して使いこなすことで、十分に効果を期待できると思われます。
そんな、37Signalsが考えるビジネス、仕事のお話です。
解決策はそこそこのもので構わない
そこそこの解決手段で仕事を進められるときはそうしよう。それはリソースを無駄にしたり、複雑な解決策を出すことができないために何もしないよりもずっとましな方法だ。それに後からでも、そこそこなものはとても良いものに変えることができることを覚えていてほしい。
アジャイルなチームのレトロスペクティブにおいて、解決策を検討するときに同じような言葉をメンバーに伝えたことがあります。明日できること。来週できること。それぐらいのリソースで、問題について解決方向へ推進させる解決策は無いか考えてください。それが、今問題と考えている我々にとってタイムリーであり、確実で現実的な改善方法です。
多くの時間をかけて、抜本的に解決する必要がある問題もありますが、多くのケースは、タイムリーな解決策を講じることによって、問題は消極化していきます。経験上、チームのメンバーが問題意識を持つだけで解決するものも数多くあります。
問題解決もアジャイルに対応していきましょう。
基本的に「ノー」と言おう
あなたのゴールは製品があなたにとって正しいものであり続けることだ。誰よりもあなたがそれを信じなくてはいけない。だからこそ「僕はこれが気に入っているから、君もこれが気に入ると思うよ」と言うことができるのだ。
顧客の声に耳を傾けすぎて、自分を失ってはいけない。多くの顧客が声を上げて、訴えるのであれば、あなたはそれに耳を傾ける必要があるだろうが、自分が目指す形を崩すようなことや重箱の隅をつつくような声には「ノー」と答え、説明をすべきだ。多くの人は、説明をすれば、納得してもらえ、喜んで使ってくれる。どうしてもその機能が欲しければ、他社の製品を推薦しよう。自社の製品を使い続けて困るよりも、他社の製品を使って幸せになった方がよい。
顧客の言うことを聞いていたら、もっと速く走る馬を彼らに与えていただろう。
こんなことにならないためにも、他の人に勧められる製品を描いて、つくっていこう。
本来のWebサービスの形とは?効率的な成果は?
ソーシャルゲームをつくっていると、多くの人をどうやって巻き込むか。多くの人がおもしろいと思うことは何か?みたいなことを追求し続けていくことが多いのです。あとは、パクって、パクられてみたいな。
そんな中で、Webサービスって本来こういった考えを元にしたサービスが多かったんだよなぁー。と思い出させてくれる内容が多かったです。
何もかもが大きくすることが正解ではないことは確かで、小さい投資で大きな回収を考えたときに、本当に投資対効果が大きいのはこういった考え方やサービスなんだろうな。と関心せざる終えない。
本当に効率的な成果を上げていきたい中小企業やチームは、絶対読んでおきたい。
ジェイソン・フリード¥ 1,575
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