[店頭在庫限り]ピアソンがソフトウェア開発に影響を与えた技術書まとめ

プログラミング

ピアソンの本は感慨深い思い出のある@hirocasterでございませう。

ピアソン桐原のピアソングループからの独立ということで、ピアソンの技術書が店頭在庫限りとなりました。

ということで、業界に影響を与えた良書たちを振り返っておきたいと思います。入手しづらくなっていますが、かろうじて今ならまだ手に入るので、これを機会に購入してみてはいかがでしょうか。Amazonの在庫が切れても、大型書店ではまだ手に入るようです。

ピアソンといえば「リファクタリング」

リファクタリング―プログラムの体質改善テクニック (Object Technology Series)

リファクタリング―プログラムの体質改善テクニック (Object Technology Series)

Martin Fowler, 児玉 公信, 平澤 章, 友野 晶夫, 梅沢 真史

今となってはリファクタリングという言葉はよく使われるようになりました。この書籍が業界に与えた影響はとても大きいと思います。私自身もピアソンというと、この書籍が思い浮かびます。ソフトウェアの振る舞いを変えずにコードを綺麗にしていく内容を説明していく内容は、多くのプログラマに参考になる内容でしょう。

誰もが目指す「達人プログラマ」

達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道

達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道

アンドリュー ハント, デビッド トーマス, Andrew Hunt, David Thomas, 村上 雅章

実用・実践的に優れたプログラマになるためのノウハウが書かれた1冊です。プログラマ人生がこの本に始まり、10年経って改めて、見返して気付かされるという人もいる内容です。書かれている内容は、原則的なことが多く、何年たっても役に立つことです。プログラマとして意識して生活をし、経験を積むことにより、深く理解することができるはずです。(本ブログでも何回にもわたって本書の記事を書いています。参考にご覧ください。)

テスト駆動はここから「テスト駆動開発入門」

テスト駆動開発入門

テスト駆動開発入門

Kent Beck, 長瀬 嘉秀, テクノロジックアート

何年にもわたって、テスト駆動開発の参考書として君臨し続ける1冊です。業界に自動テストという大切な文化を築き上げました。今や多くのプログラマがこの1冊をキッカケにテスト駆動開発をを学び、自動テストをあたりまえのように日々書きながらコードを書いています。テスト駆動開発って、テストを最初に書くんでしょ?というものだと思っている人は、きちんと体系的にテスト駆動開発を入門するのに最適な1冊です。

ペアプロ唯一の書籍「ペアプログラミング」

ペアプログラミング―エンジニアとしての指南書

ペアプログラミング―エンジニアとしての指南書

Laurie Williams, Robert Kessler, 長瀬 嘉秀, 今野 睦, テクノロジックアート

ペアプログラミングについて詳しく書かれた唯一の日本語書籍と言える1冊です。特に人間の性格やタイプなどに応じた、ペアプログラミングの傾向などは実際の開発現場で役立つ知識を与えてくれるはずです。他人と他人が1つの共同作業のようなことをするのですから、基本的な知識やルール、マナーなどは身に受けておきたいところです。

SI業界のバイブル「人月の神話」

人月の神話

人月の神話

フレデリック・P・ブルックス Jr., 滝沢 徹, 牧野 祐子, 富澤 昇

SI業界に代々伝わるバイブルのような1冊です。スケジュールの遅れているプロジェクトに単純に要因を追加してしまうのは誤りである。そして、プロジェクト管理者は、このような誤りを何度も繰り返す。わかってはいるが、この本で述べていることを実践するのは難しい。1975年に刊行された書籍ですが、未だにこの書籍が指摘することはソフトウェア開発の世界では根強く残っています。根深いこの問題を回避するためにも、知識として知っておいて損はないはずです。

計算機科学分野の古典「計算機プログラムの構造と解釈」

計算機プログラムの構造と解釈

計算機プログラムの構造と解釈

ジェラルド・ジェイ サスマン, ジュリー サスマン, ハロルド エイブルソン, Gerald Jay Sussman, Julie Sussman, Harold Abelson, 和田 英一

SICPや魔術師本(Wizard Book)と呼ばれる計算機科学の古典です。元々はMIT(マサチューセッツ工科大学)の計算機科学分野での教科書です。プログラミング言語Schemeによる、抽象化、再帰、インタプリタ、メタ言語的抽象などのプログラミングの概念について説明されています。プログラマとしては人生のどこかで理解したいと思う内容ですが、本書に手を出して途中で読むのを諦める人も多くいることは事実です。プログラミング言語を愛する人は必ず読んでおきたい1冊。

今だからこそアルゴリズムを学ぶ「珠玉のプログラミング」

珠玉のプログラミング―本質を見抜いたアルゴリズムとデータ構造

珠玉のプログラミング―本質を見抜いたアルゴリズムとデータ構造

ジョン ベントリー, Jon Bentley, 小林 健一郎

スクリプト言語などを普段図解していると、あまりアルゴリズムやデータ構造について深く考えることは少ないかと思います。コンピュータが高速化された時代なので、特にアルゴリズムなどに興味があまり注がれません。ですがそんな時代だからこそ、実際にソースコードを通して、アルゴリズムの知識を得ようとしたときに最適な1冊です。

DBだってリファクタリング「データベース・リファクタリング」

データベース・リファクタリング

データベース・リファクタリング

スコット W アンブラー, ピラモド・サダラージ, 梅澤 真史, 越智 典子, 小黒 直樹

コードをリファクタリングするというのは一般的になりつつありますが、データベースも稼働・運用し続けながらリファクタリングが可能です。どのようにリファクタリングをおこなっていけば良いのか解説されている1冊です。ORMがあたりまえとなった時代ですが、大きなデータベースやORMから扱いづらいDBがあるのが現実ではないでしょうか。そんな現実と向き合っていくために、役立つ1冊です。

番外編 – 印象に残るプレゼン「プレゼンテーションZen」

プレゼンテーションZen 第2版

プレゼンテーションZen 第2版

Garr Reynolds, 熊谷 小百合

技術書ではありませんが、多くの人々に影響を与えた1冊です。従来のプレゼンテーションとはまったく異なる形での新しいプレゼンテーションを世界に伝えました。技術者でもプレゼンをおこなう機会は意外と多いものです。印象に残るプレゼンがしたければ、参考にしてみてはいかがでしょうか。

ピアソンといえば本当に良書な技術書が印象的な出版社でした。10年前、ピアソンの技術書をかじりつきながら電車の中で読んでいたのが今でも記憶によみがえってきます。そういった良書が今後、日本から発売されなくなるのはとても残念です。

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