そろそろ夏休みの予定を立てているITエンジニアは多いのではないでしょうか。夏休みの間に読んでおきたい今年発売されたオススメの8冊を紹介します。帰省先でも読めるように、ソースコードを実行しながら読み進めるようなものではなく、書籍だけで知識を身につけられるものに厳選しています。移動中やちょっとした時間を見つけて、夏休みに読んでみてはいかがでしょうか。
アジャイルサムライ-達人開発者への道-
Jonathan Rasmusson¥ 2,730
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288ページという少ないページ数の中に、ほとんどの見開きの中に図をいれて、アジャイル開発のすべてがザックリ凝縮された書籍です。思わず「こういうのが欲しかったんだ!」と声に出してしまう内容に仕上がっています。この業界の新人に必ず読ませたいバイブルです。
- 今の仕事やプロジェクトに問題がある。順調でない。解決策の糸口が欲しい。
- アジャイル開発に興味がある。はじめてみたい。どういったものか知りたい。
- もっと価値のあるソフトウェアを顧客に提供したい。
ソフトウェア開発に携わるすべての人(プログラマ以外にも)にオススメします。東京に住んでいる人はよかったら読書会に参加してください。
良いコードを書く技術 -読みやすく保守しやすいプログラミング作法 (WEB+DB PRESS plus)
縣 俊貴¥ 2,141
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今年、プログラミングを本格的にはじめた人や、会社に入って多人数での開発をはじめてやる人に読んでもらいたい書籍。自分一人がつくって終わるソフトウェアではなく、多くの人が利用して、改変して使い続けるソフトウェアをつくるために、どういったことが必要なのか。どういうテクニックがあるのかをとてもわかりやすく解説している。何よりもページ数が少なくて、読みやすいのが良い。
- プログラミング経験が浅い方
- より良いソースコードの書き方が知りたい人
- 良いコードを書こうと今まで本気で思って実行してこなかった人
そんな人にオススメです。
Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略
Michael Lopp¥ 2,415
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「30過ぎたらマネジメントだけの仕事を」そんな仕事は望んでないギークのためのギークであり続けるためのキャリア戦略を綴った書籍。転職、就職先、査定、愚かな上司、などなど、生々しく綴られています。
- プログラマ定年説なんて望んでない人
- あのスーパープログラマみたいにずっとコードを書いて生きて生きたい人
- コードも書けない上司が技術について語るうんざりする環境にいる人
ギークやハッカーとしてのキャリアを築きたい人にオススメです。また、ギークやハッカーとビジネスを成功させたい人にもオススメ。
Coders at Work プログラミングの技をめぐる探求
Peter Seibel¥ 2,940
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15人のハッカーからその技を聞き出すインタビューをまとめた書籍。プログラミング言語を学んだ方法やどういった考えを持って他人のソースコードを読んでいるのかなど、現役のプログラマにとって、とても参考になる内容が綴られている。そして、そのプログラミング言語はハッカーにとってなんなのか?など、ハッカーの本当の一面を理解できる内容である。
- ハッカーに憧れたことのある人
- ハッカーがプログラミングするときの思考を知りたい人
- プログラミングをひたすらすればハッカーになれると思っている間違っちゃってる人
そんな人にオススメです。
7つの言語 7つの世界
Bruce A. Tate¥ 3,360
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プログラミング言語には言語それぞれの世界がある。オブジェクト指向言語と関数型言語が全然違うようにそれぞれ全然違うのだ。達人プログラマーこと、Dave Thomasが毎年新しい言語を1つ学ぶことを推奨しているように、成長したいプログラマに読んでもらいたい書籍。ひとことで、プログラミングと言ってもこれだけの世界がある。全然知らない世界の言語を知るためのとっかかりとして本書は有用である。Rubyの生みの親である、まつもとゆきひろ氏が監訳しているのも興味深い。
- 毎年新しい言語を1つ学ぼうとしている達人プログラマー志望の方
- オブジェクト指向言語しか触れたことのない若者
- プログラミングが好きな人
そんな人にオススメです。
アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには
Jono Bacon¥ 2,940
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世界最大のオープンソースプロジェクト、Ubuntuのコミュニティマネージャとして活躍する著者がコミュニティを作りたい人、運営に悩む人、コミュニティの力を最大限に発揮させたい人のために書いた書籍。オープンソースのソフトウェアの数々はコミュニティのおかげで成り立っている。そこに携わる人々は多くの人が無償での貢献をしている。なぜ無償で貢献するのか?そこにある魅力はなんなのか?オープンソースの世界をのぞいてみて欲しい。そして、実はあなたの会社の勉強会を実施している人たちもこういったコミュニティであるはずだ。そのコミュニティの力を最大限に発揮させたら、どんなに魅力的だろうか。
- オープンソースに携わりたい人、携わっている人
- 学校や会社で勉強会やコミュニティをつくりたい人、運営している人、参加したい人
- 彼氏(旦那)が土日に勉強会にいっていることに疑問がある女性
そんな人にオススメです。
エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践)
エリック・エヴァンス¥ 5,460
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大型本で576ページと持ち歩くには無理のあるサイズなので、じっくり夏休みに読書に費やせる方は是非オススメしたい1冊です。ドメインモデル設計のテクニックやパターンがこれほど理解しやすく解説されている書籍が発売されたことに感謝すら覚えます。“分析”や“設計”という言葉や業務がなるほど、こうことのために必要なのかと理解できると共に見える化しているのです。Symfony2の設計について@itemanさんの言葉を通じてDDDで語られたことをきっかけに見地が広がりました。
- 設計を見える化して伝えたい方
- プログラマが設計を意識した次のステップへいきたい人
- フレームワークや会社で共有されるコアなソフトウェアをつくっている人
そんな人にオススメです。
ソフトウェア・テスト PRESS 総集編
ソフトウェア・テストPRESS編集部 編¥ 2,594
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この書籍はPDFで過去の雑誌が収録されているので、iPadなどに入れて読んでもらいたい。全国各地でTDD Boot Campが人気を反映してか、テスト駆動開発についても多くの特集がされている。元は雑誌なので、専門誌より気軽にまとまって読める。かといって、薄っぺらい内容でないのがとても素晴らしい。
- テスト駆動開発に興味がある人
- バグやエンバグで苦い経験をしている人
- テストの自動化に取り組みたい、QAエンジニア、テストエンジニア
そんなITエンジニアにオススメです。